1.11. その他のレキシコン上の慣例

エントリは、大文字小文字を区別しないASCIIの照合順序でソートされている(一般的な辞書でよく見られる、語間のスペースを無視した一字ずつの順序ではなく)。ただし、非アルファベット文字で始まるエントリはすべてAより前にソートされ、また先頭のダッシュは無視される。大文字小文字を区別しないのは仕様であって、バグではない。

接頭辞**は、言語学者がそうするように、誤用の例を示すために使われる。

上記のWriting Styleの節で述べた‘論理的’な引用符の慣例に従う。加えて、二重引用符は実際のテキストの抜粋、あるいは(時に作り出された)発話のために取っておく。スケア・クォート(ある語が標準的でない用法で使われていることを示すもの)と哲学者の引用符(発話を、それを名指す文字列または語の列に変えるもの)は、いずれも一重引用符で表す。

malloc(3)patch(1)のような参照は、Unixの機能を指す(そのうちのいくつか、たとえばpatch(1)などは、実際にUsenet上で配布されているオープンソースである)。Unixのマニュアルは、マニュアルのセクション(n)の項目fooを指すのにfoo(n)を用いる。ここでn=1はユーティリティ、n=2はシステムコール、n=3はCライブラリルーチン、n=6はゲーム、そしてn=8(存在する場合)はシステム管理ユーティリティである。マニュアルのセクション4、5、7は役割が頻繁に変わっており、いずれにせよどのエントリでも参照されていない。

レキシコンで頻繁に使われるさまざまな略語をここにまとめる。

略語

abbrev.

abbreviation(略語)

adj.

adjective(形容詞)

adv.

adverb(副詞)

alt.

alternate(代替)

cav.

caveat(注意)

conj.

conjunction(接続詞)

esp.

especially(特に)

excl.

exclamation(感嘆詞)

imp.

imperative(命令法)

interj.

interjection(間投詞)

n.

noun(名詞)

obs.

obsolete(廃語)

pl.

plural(複数)

poss.

possibly(おそらく)

pref.

prefix(接頭辞)

prob.

probably(たぶん)

prov.

proverbial(ことわざ的)

quant.

quantifier(量化詞)

suff.

suffix(接尾辞)

syn.

synonym(同義語、または同義)

v.

verb(他動詞または自動詞でありうる)

var.

variant(変種)

vi.

intransitive verb(自動詞)

vt.

transitive verb(他動詞)

代替の綴りや発音が示されている場合、alt.はほぼ等しい分布をもつ二つの可能性を区切り、一方var.は主たるものより明らかに使用頻度の低い方の前に付く。

ある語が特定のサブカルチャーに帰せられる、あるいはそこで生まれたと知られている場合は、できるかぎりそれを示すように努めた。以下は語源の記述で使われる略語の一覧である。

起源

Amateur Packet Radio

広域ネットワークやBBSシステムのためにAX.25とTCP/IPを使う、アマチュア無線局の技術文化。

Berkeley

カリフォルニア大学バークレー校

BBN

Bolt, Beranek & Newman

Cambridge

イングランドにある大学(MITがたまたま所在するマサチューセッツの都市の方ではない!)

CMU

カーネギーメロン大学

Commodore

Commodore Business Machines

DEC

Digital Equipment Corporation(現在のHP)。

Fairchild

Fairchild InstrumentsのPalo Alto開発グループ

FidoNet

FidoNetのエントリを参照

IBM

International Business Machines

MIT

マサチューセッツ工科大学。特におよそ1971年から1983年にかけての伝説的なMIT AI Labの文化と、Tech Model Railroad Clubを含むその母体となったグループ群

NRL

海軍研究所

NYU

ニューヨーク大学

OED

オックスフォード英語辞典

Purdue

パデュー大学

SAIL

スタンフォード人工知能研究所(スタンフォード大学内)

SI

科学で使われるメートル法用語の標準略号体系の名称、Système Internationalに由来

Stanford

スタンフォード大学

Sun

Sun Microsystems

TMRC

一部のMIT流の言い回しは、1960年頃のMITのTech Model Railroad Club(TMRC)にまで遡る。TMRCと記された資料は、1959年にPete Samsonによってもともと編まれたAn Abridged Dictionary of the TMRC Languageに由来する

UCLA

カリフォルニア大学ロサンゼルス校

UK

連合王国(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)

Usenet

Usenetのエントリを参照

WPI

ウースター工科大学。1970年代に非常に活発なPDP-10ハッカーのコミュニティがあった場所

WWW

World-Wide-Web。

XEROX PARC

XEROXのPalo Alto Research Center、ユーザーインターフェース設計とネットワーキングにおける多くの先駆的研究が行われた場所

Yale

イェール大学

UnixPDP-10といったその他の語源略語は、特定のオペレーティングシステム、プロセッサ、あるいはその他の環境を取り巻く技術文化を指す。ある語にこれらの略語のいずれかが付いているからといって、その用法がその文化に限られるとは限らない。とりわけ、‘MIT’や‘Stanford’と記された多くの語は、かなり一般的に使われている。話者の分布についてはできるかぎり用法注で示そうとしたが、序論で触れたいくつかの要因が重なって、これらの示唆は望ましいほどには明確でなくなっている。

エントリに付された新しい定義のいくつかには[proposed]と記されている。これらはたいてい、それらのエントリの以前の定義に注釈を付ける過程で、編集者やUsenetの回答者によって提案された一般化である。これらは確立されたジャーゴンとして表されているわけではない